2011年10月の税務ニュース
PDFの印刷はこちら
平成23年度税制改正(雇用促進税制について)
去る6月22日に平成23年度税制改正の一部が決定したことにより、雇用促進税制の新設が決定しました。雇用の受け皿となる企業を支援し、より多くの雇用を促進するための税制です。
今回は雇用促進税制について解説したいと思います。
雇用促進税制の創設
雇用促進税制とは一定の中小企業者等が平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度において、前期末の雇用者数により当期末の雇用者数が5人以上(中小企業者等については2人以上)かつ10%以上増加しているなど一定の要件を満たしている場合、増加人数1人当たり20万円の税額控除が受けられる制度です。
ただし、当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額が限度となります。
「一定の要件」とは具体的には、以下のようになります。
- 青色申告書を提出する事業主であること
- 前期及び当期に事業主都合による離職者がいないこと
- 当期末の雇用者数-前期末の雇用者数≧5人
(中小企業者等については2人)- ※ 雇用者=法人の使用人のうち、雇用保険の一般被保険者
(役員の特殊関係者及び使用人兼務役員は除きます)
- ※ 雇用者=法人の使用人のうち、雇用保険の一般被保険者
- 上記3の増加人数/前期末の雇用者数≧10%
- 当期の給与等支給額≧前期の給与等の支給額+
- (前期の給与等の支給額×上記4の増加割合×30%)
- 雇用保険法第5条第1項に規定する適用事業(一定の事業を除きます)を行っていること
- 風俗営業等を営む事業主ではないこと
- 適用を受けようとする事業年度が下記の事業年度ではないこと
- 設立(合併による設立を除きます)の日を含む事業年度
- 解散(合併による設立を除きます)の日を含む事業年度
- 清算中の各事業年度
上記の要件を満たしている場合には、雇用促進税制の適用を受けることができますが、実際にはさらにハローワークへの手続きが必要となります(事業年度開始後2ヶ月以内に「雇用促進計画」をハローワークに提出する必要があります)。
ただし、今回は法案の成立が遅れたため、平成23年4月1日から8月31日までの間に事業年度を開始した法人については、特別措置として平成23年10月31日までに「雇用促進計画」を提出すればいいことになっています。